病欠の乱用でクビになった人の話

病欠の乱用でクビになった人の話

ドイツでは、病気やケガで会社を休む場合、有給を使いません。

病欠は病欠、有給は有給として別のものとしてカウントされます。

これがとってもいい制度なんだな。

今日はドイツの病欠とそれにまつわる逸話を紹介したいと思います。



二日酔いも病欠のうち

ドイツでは、病欠が当たり前のことのように許されています。

病欠の時は有給を使う必要がなく、
だからといって欠勤扱いで給料減額なんてこともありません。

病気やケガで何日休んでも、毎月同じ額のお給料がもらえます。

ちなみに病欠を使う際、会社に詳しい理由を言う義務はないとされています。

逆に会社側も病欠の真相を事細かに聞いてはいけません(法律で決まっている!)

でもこれって逆手に取ればズル休みし放題なんです。

だって「体調が悪いです」の一言だけで病欠が受理されてしまうんだもの。

私の周りには、彼氏とケンカして落ち込んでるという理由で会社を休む子、
前日にお酒を飲み過ぎて二日酔いだから会社を休む人、いろいろいます。

かく言う私も、ある日突然会社に行きたくなくてズル休みをしちゃったことがあります。

あとは頭痛で休んだ翌日に、大事を取って次の日も家で”養生”してみたり。

どうしてこんなに病欠に対して寛容なのかというと、
「人間誰しも病気になったりケガをすることがある」という考え方が根付いているからです。

実際そうだと思います。

どんなに体調管理に気をつけていても、熱を出してしまう時はあるし、
頭痛や腹痛で動けない時はどうしようもないじゃないですか。

融通の利く診断書

ドイツの会社で病欠をする時に必要なもの、それは医師の診断書です。

正確に言うと”Arbeitsunfähigkeitsbescheinigung”と呼ばれるもので、
これを日本語に訳すと“就労不能証明書”になるのかな。

病欠の時には、この書類を提出することで正式に受理されます。

会社側はこの書類を提出している社員を働かせてはいけないので、
かなりの強制力がある診断書とも言えますね。

でも、この診断書ってとっても簡単に作ってもらえるんです。

病院に行って「頭がズキズキ痛いです」「歯痛が止まりません」みたいなことを言うと、
先生は診断書をサクッと用意してくれます。

なんなら「何日休みたい?3日くらい?それとも1週間にしとく?」
などと希望の日数を聞いてくれる先生も少なくないです。

診断書に記載されるのは、いつからいつまで働けないか、という情報のみ。

病欠の理由は一切書かれないので、休みの理由がセンシティブでも大丈夫です。

さて、この診断書の提出は病欠初日から必須な会社と
4日目以降から必須になる会社があります。

私の勤めている会社は後者で、最初の3日間は診断書なしでも病欠が認められています

そりゃあ、ますますズル休みしそうになるわ…。

有給は労働者の権利

ドイツでは病欠の際に有給を使う発想がありません。

なぜなら有給は労働者の権利だから。

ドイツでは、有給は「社員が骨休めをするための休暇」であるとされています。

だからみんな3週間のバカンスを堂々と取るのです。

前に1週間ポッキリしか夏休みを取らないでいたら、上司に
「りっつ~、1週間じゃ骨休めにならないよ?もっとゆっくり休まないと」
と言われたことがあります。

会社側も長期休暇は当たり前のこととして受け入れており、
休暇を取って心身ともに健康な社員の方がパフォーマンス力が高いと捉えているようです。

ちなみに長期休暇中(有給中)に病気になったら…?

もちろん病欠扱いで振り替えてもらえます。

例えば月曜から金曜まで5日間有給を使っている時に、木曜から体調不良になったとします。

その場合、実際に有給として処理されるのは月~水の3日間のみで、残りは病欠になります。

このシステムには私もさすがに驚きました。

長期休暇でいないはずの社員がオフィスにいたので話しかけてみたら、
「有給中だけど診断書ゲットしたから提出しにきたわ」と言っていたことがあります。

病欠の乱用はどこからアウト?

さて、ここからは人から聞いた話です。

どうやらその人が前に働いていた会社では、病欠を乱用してクビになった人がいるんだとか。

そのクビになった人はこれといった大病や大ケガになったわけではなく、
毎月ちょこちょこ”体調不良”で休んでいたそうです。

その日数、1年で合計1カ月分を優に超えるそう。

となると、平均して毎月3日くらい休んでいた計算になりますね。

たしかに休み過ぎなのは否めないかも…。

でも今の会社でも、病気がちでちょこちょこ休んでいる人いるけどなあ。

ちなみに私の上司は9月の上旬から絶賛病欠中です。

本当は10月から来れるはずだったのに、まだ体調が優れないそうで
プラス1カ月分の診断書を医師に書いてもらったんだとか。

はあ、上司がいないと次の仕事に進めなくて困ってしまいます。

本題に戻りましょう。

病欠の乱用がどこからアウトなのかは、正直私も分かりません。

でも、会社や業界が異なれば風土も違ってくるんだろうな、とは思います。

少なくとも私の会社は超超超イージーでかなり緩そう。

ちょっと体調悪そうにしてるとすぐに家に帰されるし、
一度休んだら翌日・翌々日も大事をとって休む人が多いです。

新卒で就職した会社がここまで甘やかされた環境だと、
これから別の会社に行った時が心配だなあ、と思ったり思わなかったり。

まとめ

今日はドイツの病欠について書いてみました。

二日酔いで会社をズル休みをするのはどうかと思うけれど、
少しでも体調が優れない時に我慢せずに休める環境はとても気に入っています。

身体が本調子でない時に会社に行っても、
いつも通りのパフォーマンスが発揮できないのは目に見えているし、
無理して出社してさらに悪化したら元も子もありません。

もし感染症にかかっていたら他の人に移してしまう可能性だってあります。

会社全体の効率を俯瞰して見ると、病欠って合理的な考えに基づいているのかも。

さすが、合理主義の国ドイツなだけあるなあ、と思いました。