つまずきの石とは

つまずきの石とは

ドイツの街中を歩いていると、地面に金色の石を見つけることがあります。

これは「つまずきの石」と呼ばれるもの。

ドイツ語ではStolpersteine(シュトルパーシュタイネ)といいます。

この石は道端になにげなく埋まっているので、下に注意して歩いていないと
その存在に気づかずに素通りしてしまう人が多いです。

でもこの石には第二次世界大戦中にナチスが行ったことがたんたんと刻まれており、
その淡泊さは彼らの非人道的側面をより一層強く訴えかけているように感じられます。

今日はドレスデンにもある「つまずきの石」について紹介しましょう。



つまずきの石とは

「つまずきの石」はGunter Demnig(グンター・デムニッヒ)という
ベルリン出身の芸術家によって始められたアートプロジェクトです。

このプロジェクトが始動したのは1992年でした。

デムニッヒはナチス時代に迫害された人々の悲劇を決して忘れてはならないという意思から、
このつまずきの石の制作を始めました。

石はコンクリートの塊に金色の正方形の金属版をかぶせたもので、
その金属板には被害者の名前と生年月日、そしてどのように亡くなったかが記されています。

書かれている内容は人によって様々で、強制収容所に送還された日や場所、
そして殺害された日がたんたんと綴られているのです。

なかには誕生年と死亡年の間にそこまでの差がない、
つまり幼くして亡くなった子どもたちのものだと分かるものまであります。

この石が設置される場所は、まさにその被害者が生前住んでいた住居あるいは勤務先

何十年前に同じ道を歩いた人がいかに迫害され殺されていったかが分かるので、
それはとても生々しく、とても嬉しい気持ちになれるものではありません。

でもだからこそ、こうやって折に触れて
過去の過ちを思い出させる何かが必要なのかなと考えさせられます。

つまずきの石プロジェクトはドイツだけでなくヨーロッパ全体に広がり
そしてこの活動は今もなお続いています。

その数は今年の10月でなんと70000個を達成したそうです。

ドレスデンのつまずきの石

つまずきの石はドレスデンにもあります。

しかし設置が開始されたのは2009年になってのことでした。

なんでも市議会の許可がおりるのに時間がかかったとか…。

ちなみにドレスデンで初めてつまずきの石が埋められた2009年の時点で、
隣の都市ライプツィヒには120個が既に設置完了していたそうです。

そんなこんなで少し遅れをとったドレスデンですが、
今では200以上のつまずきの石が市内に埋められています。

私は家の近所の他に、街の中心の道沿いでも2か所見つけました。

ひとつは旧市街のショッピングモールの隣にあります。

Prager Straße(プラーガー・シュトラーセ)“という停留所から歩いてすぐです。

もうひとつは新市街。

こちらは”Albertplatz(アルバート・プラッツ)
という停留所で降りてからすぐのところにありました。

どちらも人通りの多い道沿いにありますが、
わざわざ足を止めてじっくり見ている人はいません。

そこまで目立つものでもないので、
私も何度も歩くまで気が付きませんでした。

でも、このくらいの存在感がちょうどいいのかもしれまんせんね。

目立ちすぎるとそこを通るたびに憂鬱な気分になってしまいそうです。

まとめ

今日は「つまずきの石」について紹介しました。

これを見るとラッキーになれるわけではありませんが、
それでもみんな1回くらいは見てほしいな。

いろいろ考えさせられる、素晴らしいアートプロジェクトだと思います。