イェーナのシャガール展が素晴らしすぎた

イェーナのシャガール展が素晴らしすぎた

ドイツのチューリンゲン州にイェーナという場所があります。

ここはシラーゆかりの地で、ドイツ文学好きにとっては聖地のひとつ。

イエーナにはシラーが建てた大学があり、ここで初期ドイツロマン主義も発達しました。

ちなみに列車で15分くらいの距離にはワイマールもあります。

でも、私は独文出身にも関わらずドイツ文学史にはあまり興味がありません。

もちろん必修の講義で一定の知識は身につけましたが、
自ら聖地巡礼を計画するほど熱心ではないです。



さて、こんな私がなぜわざわざイェーナに行ったかというと、
大好きな画家マルク・シャガールの特別展が開催されていたからです。

特別展だけのために片道3時間弱かけて隣の州に足を運ぶのもバカらしいですが、
久しぶりに推しの絵が見たくなったから仕方がない!

重い腰を上げて行ってきました。

ちなみに結論から言うと、行ってよかった!イェーナよかったよ!

版画がメインの展示

シャガールの特別展はマルクト広場にある小さなミュージアムで行われていました。

テーマは「Ich bin sicher, Rembrandt liebt mich」。

直訳すると、「私は確信している。レンブラントは私を愛していると」となります。

これはシャガール本人が残した言葉ですが、
この発言の本意は展示を見るまで分かりません。

今回はシャガールの油絵ではなくリトグラフがメイン

作品ひとつひとつの大きさが小さいので、
むしろ天井が低くてこじんまりとした美術館にピッタリです。

祖母からもらった週刊「西洋絵画の巨匠」で紹介されていた作品もいくつか見つけて、
かなり興奮しました。

柱となる展示内容は3つのアーティストブックである
『Bibel(旧約聖書)』『Der tote Meer(死海)』『EXODUS(出エジプト記)』
収録されたリトグラフの数々をページの順番に沿って紹介していくというもの。

この3つの本に共通しているのは、
シャガールのアイデンティティであるユダヤ教の聖書のワンシーンを切り取っている点です。

例えばこの写真は『聖書』の冒頭のシーン、いわゆる創世記です。

左上の天地創造から始まり、その下に続いているのはノアの箱舟です。

シャガールは自分の出自にかなりのこだわりを持って生涯作品を作り続けた画家なので、
これらの作品群に対するシャガールの熱意も、計り知れないもの。

彼は聖書の制作が決まってから、物語の舞台となったイェルサレムに自ら出向き、
自分の目でその地域の情景や空気、雰囲気を観察そうです。

聖地を訪れた後には今度はオランダに出向き、そこでレンブラントの絵画手法も学びました。

そしてシャガールはレンブラントの明暗対比(背景を暗くしてコントラストを描く手法)
自身の作品にも取り込み、実践しました。

だからこそ「私は確信している。レンブラントは私を愛していると」
という言葉が生まれたのではないでしょうか。

シャガールはレンブラントをリスペクトし、自分の中に取り込み、
そしてそこに精神的な繋がりをも見出したのかな、と私は思いました。

さて、リトグラフ以外の展示品はというと、少しの油絵があります。

まずはラビが描かれた作品2つ。ユダヤ教のオンパレードですね。

こっちはのラビはモーセの十戒を抱いでいます。

驚いたのは『革命』も展示されていたこと!

この作品は普段はパリにあるので、まさかこっちに来てるとは思いませんでした。

この作品は左側に革新派の群衆、右側に伝統派のユダヤ人が描かれています。

そして中央で逆立ちをしながらバランスを保っているのがレーニンです。

マティスやピカソの作品フロア

この企画展はシャガールにスポットが当てられていますが、
実は他の同時代の他の芸術家の作品も展示されていました。

共通点はリトグラフ。そしてアーティストブック。

油絵単体ではなく、誰かが書いた詩や文学作品に寄せて制作された
リトグラフの数々が並んでいました。

展示されていたのはアンリ・マティスやパブロ・ピカソ、
ジョアン・ミロやジョルジョ・デ・キリコまで!

特に興味深かったのはピカソがタイアップしていた『メタモルフォーゼ』

ストーリーを知っていたので、
なんとなく親近感もあり、眺めるのが楽しかったです。

まとめ

今回はイェーナで開催されているシャガール展を紹介しました。

ドレスデンからは少し遠かったけれど、わざわざ来てみたかいがありました。

やっぱりシャガールの絵は好きです。

いつか絶対に高い画集を手に入れたいなあ、と毎度のことですが思いました。

なお、この企画展は今年の11月18日までなので、
今ドイツにいてシャガールに興味がある人は急いで行った方がいいですよ~!

ちなみにミュンスターでもシャガールの特別展が開催されています。

こっちは年明けの1月末までやっているので要チェックです。

※イェーナのシャガール展のHPはこちら

※ミュンスターのシャガール展のHPはこちら